自分に合った働き方を選ぶ時代になり、金融業界で活躍する営業職の方々から、最近特に注目されているのが、フルコミッション型やインセンティブ型と言われるコミッション型の保険営業です。
近年、金融業界の中で時代のニーズに合わせて大きく変化したもののひとつが生命保険です。
商品の内容だけではなく、消費者が保険を契約する方法も大きく変わりました。それに伴い、保険営業としての働き方も変化の一途です。
そこで今回は、これからコミッション型保険営業への転職を検討される方へ、一般的なコミッション型営業の違いや、メリットやデメリットについて紹介します。転職活動の参考にしてみてください。
フルコミッション型とインセンティブ型の違いとは?
コミッションとは、手数料や歩合のことを意味し、コミッション型保険営業とは、「自分の営業成果に対した報酬が支払われる保険営業」のことです。
コミッション型保険営業は、大きく分けると「フルコミッション型」と「インセンティブ型」に分かれ、フルコミッション型は「フル=完全歩合性」の報酬形態を指します。
それに対してインセンティブ型は「固定給+歩合制」とも言われています。
これらのコミッション型の保険営業への転職を検討するにあたって、それぞれの「報酬形態」や「雇用形態」の違いが気になりますよね。
まず、一般的に「フルコミッション型」とは、企業に雇用されるのではなく、「業務委託」として営業を依頼される契約形態です。
その報酬形態は「成果に応じた報酬が支払われる」といったもので、契約に対する手数料率が高い反面、収入の保障がなく、保険や経費なども自己というものが一般的です。
一方で「インセンティブ型」とは、企業と「雇用契約」を結び、正社員や契約社員として会社に所属するものです。
そのため「固定給」があり、それに加えて成果に応じた「インセンティブ(歩合給)」が支払われる報酬形態です。
フルコミッション型と比較すると手数料率は低くなるものの、一定の収入が保証され、保険、福利厚生などもあります。
いずれの場合も「コミッション」つまり、自分の営業成果に対しての収入が明確でやりがいを感じやすい営業業務ですが、報酬形態以外にもメリットがたくさんあります。
コミッション型保険営業 5つのメリット
コミッション型の保険営業で働く代表的なメリットは5つあります。
メリット1 高い収入が期待できる
コミッション型は、フルコミッション型でもインセンティブ型でも「自分の営業成果に対して収入が明確」なのが大きなメリットです。
そのため、営業の成果がダイレクトに収入に反映され、さらにその多くは報酬に上限がなく、大変やりがいのある働き方です。
メリット2 商品や売上のノルマがない
例えば、同じ金融業界の銀行や証券会社などで働く一般的な営業職の場合、本部や支店が決めた目標やノルマがあり、販売する商品や数字を達成することを目的とした営業行為が行われますが、コミッション型の保険営業の場合は、そういったノルマが一切なく、企業の事業を踏まえた販売ストレスがないことは、営業職として大きなメリットです。
メリット3 時間を有効に使える
コミッション型の保険営業は、成果に応じて収入が決まりノルマもないため、就業時間は自分の都合でコントロールできる場合が一般的です。
朝礼や夕礼、会議など、いくら非効率であっても必ず社に赴く必要があったり、顧客とのアポイントメントよりも会社の都合を優先しなければならないといったことがありません。
同じ営業行為でも、働き方を変えることで時間を有効的に使えるようになり、ワークライフバランスが取れ、自分の時間を大切にできます。
メリット4 営業行為に集中できる
一般的な会社の営業職は、会社の中に属している以上、人材育成や社内イベントの雑務など、なにかと営業以外の業務も多いものですが、コミッション型の保険営業は、営業行為に集中することができます。
また、営業のやり方や戦略などについても、上司や部内の意思を反映することなく、自分で考えて自己判断で行えることも魅力です。
メリット5 取扱商品が多く、お客さまに合わせた提案営業ができる
コミッション型のすべてではありませんが、多くの保険会社の商品を販売することができ、お客さま一人一人の事情に合わせて提案することができます。
本当の意味での提案営業が可能となり、商品をプッシュするような旧来型の営業行為のストレスから解放されるのは大きなメリットです。
コミッション型保険営業 5つのデメリット
ここからはコミッション営業でデメリットとされていることを5つご紹介します。
デメリット1 収入の変動が大きく不安定
コミッション型の保険営業は「自分の営業成果に対して収入が明確」なため、成果の良し悪しは収入に直結します。
そのため、収入額の変動は大きくなることもあり、不安定さは否めません。
また、フルコミッション型の場合は、完全出来高制のため無収入になることも。
一方でインセンティブ型の場合は、一般的に最低保証として固定給が決められているため、無収入になることはありませんが、成果に応じて収入が変動するデメリットはあります。
デメリット2 社会保障、厚生年金や退職金、福利厚生などがない場合も
一般的にフルコミッション型の場合、雇用ではなく業務委託という契約形態のため、厚生年金や雇用保険、労災などの社会保障が対象外となり、退職金や年金制度もなく、国民健康保険も自ら加入する必要があります。
一方で、インセンティブ型の場合は、企業と「雇用契約」を結び会社に所属しているため、所属している企業が定めた制度を受けることができます。
社宅制度があったり長期休養制度、スマートフォンやタブレット端末の貸出制度などのサポートが充実している企業もあります。
デメリット3 経費が自己負担になる場合も
フルコミッション型の場合、業務委託契約の内容にもよりますが、通信費や交通費、交際費やノベルティ費用など、営業活動に関わる一切の経費は自己負担となることが一般的です。
そのため、収入と経費のバランスを取りながら営業活動を行う必要があります。
一方、インセンティブ型の保険営業の場合は、必要経費は所属している企業負担の場合が多いです。
デメリット4 新規のアポイントメントなどの集客
営業の一番の大変なところは、集客かもしれません。コミッション型の保険営業は「自分の営業成果」がそのまま報酬に反映されますが、その営業の成果には新規開拓も含まれています。
特にフルコミッション型の場合は、新規開拓力こそが営業力と言われることも多くあります。
一方で、インセンティブ型の場合は、企業によって事業形態が異なりますが、サイトや店舗、セミナーなどのイベントにアクセスした見込み客に対して、営業行為を行う場合もあります。
この場合、新規開拓力よりも説明能力が長けている人が成果を上げやすい営業形態かもしれません。
デメリット5 教育制度がない、またキャリアチェンジが難しい
保険業界を含む金融業界の流れは早く、法改正の頻度も高いため、新しい情報を間違いなくタイムリーに獲得し営業に活かす必要があります。
インセンティブ型の場合は、企業が定期的に開く講習会が受講できるなどの教育制度を設けている場合が一般的ですが、フルコミッション型の場合は、自分で情報を獲得して学ぶ必要があります。
また、コミッション型の保険営業を経験した後、自分の特性を踏まえてキャリアチェンジをしたい場合、フルコミッション型の場合は、新たに転職をする必要がありますが、インセンティブ型の場合は社内の他部署への移動ができるなどの制度を持っている企業もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?コミッション型の保険営業について、メリット・デメリットを踏まえて、フルコミッション型やインセンティブ型の保険営業という働き方についてご紹介いたしました。
これまで銀行や証券、保険会社で勤務して得た、一定の金融の知識を活かし、もっと収入を高める可能性を求めて、コミッション型の保険営業を選ぶ方も増えています。
コミッション型の保険営業を採用したい企業はたくさんありますが、報酬や雇用などの条件はさまざまですので、自分に合った企業でチャレンジしてみてください。