代理店向けの営業担当者である「ソリシター」は、どのような企業への転職が可能なのでしょうか。
ソリシターの仕事内容を理解したうえで、知識やスキル、経験を活かせる企業を知ることが大切です。
この記事では、ソリシターの転職先候補の種類と特徴から選び方のポイントまで詳しく解説します。
目次
ソリシターの仕事内容
ソリシターとして転職する場合は、仕事内容はもちろん、使命や役割について十分に理解することが重要です。
そうすれば、転職先に求められるスキルや適性などが見えてくるでしょう。
ソリシターの仕事の種類と内容について詳しく解説します。
自社製品のシェアを増やすためのサポート
ソリシターは代理店向けの営業担当者ですが、単に保険を売り込むことだけが目的ではありません。
保険商品によってアピールポイントや仕組みが異なるため、代理店契約に成功しただけでは自社の売上が伸びるとは限らないのです。
ソリシターは、代理店で自社の保険商品のシェアを増やすためのサポートまで行います。
例えば、保険商品の複雑な部分の解説やアピールポイント、注意点などを十分に理解してもらうために、対面またはオンラインでレクチャーします。
代理店への自社の保険商品の売り込みと、シェア拡大に必要なサポートはセットと考えましょう。
法令遵守の促進
法令遵守を促進するために代理店へアドバイスしたり、お願いの書面を送付したりして、法令違反による風評被害のリスクを抑えることもソリシターの仕事です。
保険販売においては、保険業法および保険業法施行規則を遵守しなければなりません。
例えば、虚偽の契約内容を告げたり、告知義務がある事実を告げるのを怠ったりする行為は、保険業法違反です。
代理店が違法な保険販売を行っていた場合、取り扱っている保険商品の販売元が風評被害を受ける可能性があります。
販売していたのは代理店であっても、保険会社が強いプレッシャーをかけたり誤ったアドバイスをしたりすれば、法令違反を助長させることになりかねません。
そのため、ソリシターには法令に関する知識はもちろん、適切な販売方法やアピール方法をアドバイスできるスキルも求められます。
代理店と契約者の間で起きたトラブルの対応
代理店と契約者の間で起きたトラブルへの対応もソリシターの仕事の1つです。
通常、代理店と契約者の間で話し合って解決を図るものですが、保険商品に関する詳しい説明が必要になったり、第三者が介入する方が解決につながったりする場合があります。
そのため、ソリシターには仲裁に必要な「中立の立場で物事を考える・整理するスキル」や「コミュニケーション能力」が求められます。
代理店からの問い合わせ対応
代理店からの問い合わせ対応もソリシターの仕事の1つです。
重要事項説明書や保険商品のパンフレットなどを読み込めば、保険会社へ問い合わせる必要はないでしょう。
しかし、他社の保険商品も取り扱っている状況では、それぞれの保険に対する知識を十分に得ることは困難です。
また、加入できる可能性、条件などについても保険会社に問い合わせなければ明確な回答ができないケースもあります。
代理店からの問い合わせに適切に対応することで、結果的に自社の保険商品のシェア拡大につながります。
ソリシターの転職先候補とその特徴
ソリシターの転職先候補は、保険会社や保険代理店だけではありません。転職先の候補とそれぞれの特徴について詳しくみていきましょう。
保険会社
ソリシターとしての経験やスキルを活かすのなら、やはり保険会社が第一候補になるでしょう。
前述したとおり、保険代理店への保険商品の営業、商品情報の提供、アドバイスなどのサポートを行います。
1人で数十社もの代理店を担当することもあるうえに、代理店の営業担当者と共に顧客の元をたずねるケースもあります。
仕事内容が保険会社によって異なるため、入社前に確認しておきましょう。
保険代理店
保険代理店では、ソリシターとして習得した商品説明力やコミュニケーション能力、提案力などを活かし、保険販売員として働くことになります。
他社の保険商品の知識を新たに習得する必要があるため、即戦力として認められるには入社後しばらくは勉強に時間を費やさなければなりません。
金融機関の営業職
金融機関の営業職は、保険商品ではなく投資商品のような別の金融商品を取り扱います。
しかしながら、金融業界で働いていた経験を活かすことができるため、未経験者よりも早く成果を出せる可能性があります。
「転職後に軌道へ乗るまでが早い」、「金融業界ならではの慣習に慣れている」などがメリットでしょう。
カスタマーセンター
カスタマーセンターは、保険商品に関する問い合わせ、契約、変更などの手続きに対応します。
ソリシターとして得た知識やスキル、経験を活かすことができるでしょう。
ただし、他社の保険商品はこれまで取り扱ってきたものとはアピールポイントが異なるため、知識は新たに習得する必要があります。
法律関係の仕事
ソリシターの仕事の1つは「法令遵守の促進」のため、その経験から法律関係の仕事も候補となるでしょう。
例えば、弁護士のサポート業務を行う「法律事務職員(パラリーガル・弁護士秘書)」は、法律・判例の調査、裁判所への同行などを行う仕事です。
同じように法律に関わる仕事をする点で共通している「社会保険労務士事務所」や「行政書士事務所」などの事務員も候補となる可能性があります。
ソリシターの転職先の選び方
ソリシターの転職先を選ぶ際は、次のポイントを押さえましょう。
ソリシターとしての経験が活きる職種・企業を選ぶ
ソリシターとしての経験が役に立つ職種・企業を選べば、早く結果を出せる可能性があります。
慣れない仕事に転職すると、心身の負担になるうえに結果が出るまでに時間がかかるでしょう。
ソリシターとしてキャリアを重ねてきたのであれば、それを活かして収入や働き方などの理想を実現したいところではないでしょうか。
性格・考え方・スキルに合致した職種を選ぶ
ソリシターとして習得した知識や技術を活かせる職種・企業を選びましょう。
提案力、商品説明力、コミュニケーション能力などの他にも、法令を遵守する意識やトラブルへの対応力などもアドバンテージとなります。
その中でも自身が優れているスキルを考え、最も活躍できる企業への転職を目指してみてください。
また、性格や考え方と企業文化・方針が合致することも、自身が気持ちよく働くために重要なポイントです。
担当店舗数と業務内容を確認する
担当店舗数や業務内容は職種・企業によって異なります。
例えば、同じソリシターに転職するにしても、担当店舗数が数店舗の企業もあれば数十店舗の企業もあります。
さらに、業務のサポート範囲も異なるため、1日の労働時間や心身への負担も大きく異なるのです。
口コミ・評判をチェックして、大体の担当店舗数と業務内容の予測を立てましょう。
まとめ
ソリシターは保険代理店への営業担当者のことで、提案力やコミュニケーション能力、法令を遵守する意識など、さまざまな知識・スキルを習得できます。
同業種への転職はもちろん、異業種への転職を目指す場合も、ソリシターとして習得した知識やスキル、経験を活かせる企業を選びましょう。