ファイナンシャルプランナーの仕事内容を徹底解説

2023.9.2

年金問題や賃金の伸び悩みなどの社会不安を背景に、お金に関する様々な情報が飛び交う昨今において、ファイナンシャルプランナーの需要は高まっています。

そんな中、ファイナンシャルプランナーとして活躍したいと考える人も増えています。

しかし、ファイナンシャルプランナーが具体的にどのような仕事をするのか分からない方も多いはず。

そこで、本記事では、ファイナンシャルプランナーの仕事内容や必要な資格について詳しく解説しています。

ファイナンシャルプランナーに興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

ファイナンシャルプランナーとは

ファイナンシャルプランナー(FP)とは、お金に関する専門知識を活かし、具体的なアドバイスを行う仕事です。

例えば、年金や保険、投資、生活設計など、日常的に必要なお金から、資産運用まで幅広い相談を受けます。

また、FPは企業に所属する企業内FPと、個人で活動する独立系FPに分かれています。

企業内FPは、銀行や証券会社、保険会社などの企業に所属している場合が多く、独立系FPはフリーランスとして活躍したり、個人事務所を開業したりしています。

ファイナンシャルプランナーの仕事内容

ファイナンシャルプランナーの主な仕事内容は、顧客の家族構成や収入、資産などの情報を元に将来必要な金額を計算し、ライフステージごとに資産設計の提案を行うことです。

例えば、「現在は配偶者と2人暮らしで、3年後に子どもがほしい。
子どもを大学まで通わせる場合どのくらいお金を用意しておけば良いか?」という相談に対し、用意すべき金額と、その目標額を達成するための方法を考えます。

このように、ファイナンシャルプランナーは「顧客の将来の生活の安心や希望を叶えるために助言する仕事」だと言えます。

(個人が顧客になる場合がほとんどですが、法人の相談に乗ることもあります。)

資産設計の際は、具体的な金額を算出することが求められるため、できるだけ詳しくヒアリングすることが重要です。

ファイナンシャルプランナーの必要な資格・スキル

ここからは、ファイナンシャルプランナーに必要な資格やスキルを紹介します。

FP資格

一般的に、お金に関する相談は、専門知識を持っている信頼できる人にしたいと思う人が多いでしょう。

FP資格の取得は、一定の水準を満たす知識を有する証明になります。
そのため顧客から信頼が増し、自らの市場価値を上げることもできます。

市場価値が上がれば報酬が上がっていくこともあるため、FP資格の取得は大きなメリットと言えるでしょう。

コミュニケーション能力

ファイナンシャルプランナーは、お金にまつわる顧客のプライベートな情報を詳細にヒアリングする必要があります。

さらに、相談内容の性質から1回の相談で終わるのではなく、長期的な関係を築くことが重要で、そういった関係を構築するためにもファイナンシャルプランナーにはコミュニケーション能力が必須と言えます。

問題解決力

ファイナンシャルプランナーは、顧客が抱える問題やニーズを明確にし、それを改善することが求められます。

顧客が何を望んでいるのかを正確に理解できなければ、適切なプランニングをすることは難しいでしょう。

ファイナンシャルプランナーには、お金に関する知識を持っているだけではなく問題解決能力が求められます。

ファイナンシャルプランナーの資格試験や難易度

ファイナンシャルプランナーの資格には、下記のように複数の種類があります。

  • FP技能検定
  • AFP認定者
  • CFP認定者

FP技能検定が国家資格、AFPとCFPが民間資格です。

それでは、上記の資格について詳しく見ていきます。

FP技能検定

FP技能検定は、「日本FP協会」と「金融財政事情研究会(金財)」の2つの団体が実施する国家資格です。

1〜3級に分かれており、問題の難易度や実務に応用できる知識が異なります。

3級は初心者でも比較的合格しやすく、2級まで取得すると実務に通用できるレベルになります。

1級を受験するには、実務経験5年以上、または2級合格者で実務経験1年以上などの条件を満たす必要があります。

1級の合格率は非常に低いため、取得を目指す人はまとまった勉強時間を確保しましょう。

AFP認定者

AFPとは、日本FP協会が認定する民間資格であり、認定試験では顧客の相談内容に応じたプランニングができるかどうかが判断されます。

AFPを取得するには、以下の条件を1つ満たさなければいけません。

  • FP技能検定3級合格
  • FP実務経験2年以上
  • AFP認定研修の修了

AFPは2級FP技能士と同等のレベルであり、2年ごとに日本FP協会が実施する継続教育を受講する必要があります。

CFP認定者

CFPは、AFPと同じく日本FP協会が認定する民間資格であり、AFPよりも上位の資格として位置づけられています。

CFPを取得するためには、AFP認定者であるか、協会指定大学院の所定課程を修了する必要があります。

CFPに認定されるまでの流れは以下の通りです。

①CFP資格審査試験6科目に合格する

②CFPエントリー研修を修了する

③通算3年以上の実務経験を積む

④試験合格後5年以内に登録申請を行う

CFP資格審査試験には6科目あり、全ての科目に合格しなければいけません。

しかし、一度の試験ですべて合格する必要はないため、着実に合格科目を増やしていくことが重要です。

CFPは、FP技能士1級と同等レベルであり、取得までには時間と努力が必要になりますが、取得後は日本国内のみならず、グローバルに活躍できる可能性が高まります。

ファイナンシャルプランナーの年収

ファイナンシャルプランナーの年収が気になる方も多いかもしれませんが、正確な年収のデータは存在しません。

しかし、国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」において「業種別の平均給与・平均賞与」のデータによると金融業・保険業の平均給与は629.7万円となっております。

全業界の平均給与は433.1万円のため、金融・保険業界は平均よりも高年収が見込めるでしょう。

もちろん、働き方や仕事内容によって年収は異なるため、あくまでも参考程度にしてください。

参考

:国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査」令和2年分民間給与実態統計調査結果について

ファイナンシャルプランナーの就職先/転職先

ここからは、ファイナンシャルプランナーの就職先または転職先を紹介します。

「ファイナンシャルプランナー」という職種名で勤務するかは企業によって様々ですが、おおむね保険会社や証券会社などの社員となり、FP資格を取得する場合が多いです。

それでは詳しく見ていきます。

金融機関

ファイナンシャルプランナーは、銀行や保険、証券業界などの金融機関において活躍することができます。

金融業界の仕事は、資産運用のアドバイスや住宅ローンの相談、金融商品の紹介などの業務が大半です。

このように、お金に関する業務が多いため、金融業界のほとんどの会社がFPの資格取得を推奨しています。

また、企業によっては、営業職としてファイナンシャルプランナーを募集している会社も少なくありません。

金融機関によって業務内容は少しずつ異なりますが、上記の業務でファイナンシャルプランナーの経験を十分活かせるでしょう。

不動産会社

ファイナンシャルプランナーの経験がある人は、不動産会社への転職も選択肢の1つとなってきます。

なぜなら、不動産会社では、物件を売買する際の資金計画や住宅ローンのアドバイス、不動産投資のコンサルティングなど、ファイナンシャルプランナーのスキルを活かした業務が必要だからです。

また、不動産投資家の顧客に対して、将来的なリターンやリスクについてのアドバイスをすることもあります。

ただし、不動産取引に関わる仕事は、FP以外にも不動産に関する知識や経験が求められるため、資格を保有しているだけではスキルが不足することも考えられます。

不動産会社への転職を検討する場合は、入社後に不動産に関する知識や経験を積む必要があることを理解しておきましょう。

まとめ

ファイナンシャルプランナーは、近年需要が増しつつあり、顧客が望む将来を叶えるための重要な役割を果たします。

資格取得をすれば、信頼性と市場価値が高まり、年収が上がる可能性もあります。

もちろん、資格を持っていなくても就職や転職はできるため、興味がある方はファイナンシャルプランナーのキャリアを検討してみてはいかがでしょうか。

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