保険業界の外資系と国内系の違いとは?年収や風土について解説

2023.7.16

保険業界での転職を検討する際は、外資系・国内系のどちらが自身に合っているか考えることが大切です。

保険商品の販売形式や契約後のサポート体制をチェックし、実際に働く自分をイメージしましょう。

なお、保険業界における外資系と言えば、外資系の保険会社を指すことが一般的ですが、外資系の保険代理店もあります。

本記事では保険会社・保険代理店をまとめて保険業界とし、外資系と国内系の違いについて解説します。

保険業界の外資系と国内系の違い

外資系保険会社とは、外国人または外国法人が全株式の3分の1以上を保有する保険会社です。

そして、国内系(日系)保険会社は、日本人または日本法人が全株式の3分の2以上を保有する保険会社を指します。

保険業界に限らず、外資系と国内系では、年収や企業風土などに違いがみられます。

保険業界における外資系と国内系の違いはなくなってきているといわれていますが、次のような違いがみられることがあります。

保険商品の販売形式

外資系は保険商品がバラ売りで、お客さまのライフプランや家族構成、年齢などに応じてオーダーメイドで提案します。

一方、国内系では複数の保険商品がセットになっており、必要に応じて特約を付帯するものが主流です。

オーダーメイドだと保険選びの難易度が上がるため、より充実したサポート・提案が必要になります。

保険料

外資系は国内店舗が多くないため、それだけ固定費を抑えることができます。

固定費を削減できれば保険料も抑えられるため、リーズナブルな保険商品を多く取り扱っています。

ただし、現代は人件費を削減できるインターネット販売を行う国内系も台頭してきているため、外資系と国内系で保険料の差はほとんどありません。

保険料が高い保険商品を提案する際は、安いものよりも納得感を与えることが難しくなります。

国内系は固定費が高いため保険料に上乗せしているなどと伝えると、悪い印象を与えるでしょう。

そのため、お客さまのライフプランや現状などを踏まえ、適性が高い保険商品を提案することが、より一層重要となります。

契約後のサポート体制

外資系よりも国内系の方が契約後のサポートが充実している傾向があります。

店舗数が少なければ、それだけサポートを受けにくくなるでしょう。

一方、国内系は国内に多くの店舗があるため、外資系と比べてサポート体制が整っていると言えます。

ただし、店舗数が少なくても電話やWebフォームなどで問い合わせてサポートを受けることも可能です。

そのため、契約後のサポート体制に大きな違いはないと言えるでしょう。

年収

外資系は基本給+歩合が一般的で、契約件数に応じて給与が加算されます。

完全歩合制とは異なり、ある程度の収入を確保できるため、収入が安定しやすいと言えるでしょう。

加算の目安は当該保険料の30~50%程度ですが、企業によって異なります。

なお、完全歩合制の企業もあります。

完全歩合制は契約数に応じて給与が決まる方式で、基本給が定められていないため、契約を獲得できなかった場合に収入がゼロになります。

一方、国内系においても基本給+歩合が一般的ですが、外資系よりも基本給が高い傾向にあります。

企業風土

外資系は完全歩合制を採用している企業もみられることから、完全実力主義であると考えられます。

休日対応も求められることがあるものの、働き方の自由度は高いでしょう。

成果さえ出すことができれば勤務時間は問わないスタンスで、定例ミーティングや一定の時間帯を除き出社は自由な会社もあります。

一方、国内系は勤務時間が決まっており出社が必須な企業が多いでしょう。

外資系ほどではないものの、実力を重視する点に大きな違いはありません。

国内系が向いている人

保険業界での転職を検討する際は、自身が国内系と外資系のどちらが向いているのかについて考えることが大切です。

企業によって異なりますが、次のような人は国内系企業が向いていると言えるでしょう。

収入の安定を求めている

外資系でも基本給+歩合制を採用しているものの、その多くは完全歩合制です。

国内系の方が基本給+歩合制を採用している企業が多いため、収入の安定を求める人には国内系が向いているでしょう。

ただし、国内系でも完全歩合制を採用している企業があるため、労働契約の内容を十分に確認してください。

また、基本給があるとしても、それだけでは生活費が足りないことが多いでしょう。

基本給の額や昇給についてもチェックすることをおすすめします。

企業の撤退についてなるべく心配したくない

外資系は日本をメインに活動しているわけではないため、売れ行きが不調な場合は早々に撤退する可能性があります。

国内系でも経営上のリスクはありますが、外資系ほどではないといわれているため、これらの心配をなるべくしたくない人に向いているでしょう。

なお、過去に倒産した国内系の保険会社は10社近く存在します。

ハイリスクな経営を続けた結果、キャッシュフローが悪化して倒産に至ったケースが多いため、事前に経営方針についてチェックしておくことが大切です。

外資系が向いている人

ここまで解説した内容をもとに、どのような人が外資系に向いているのか詳しくみていきましょう。

上昇志向が強い

完全歩合制や歩合の割合が大きい外資系には、上昇志向が強い人が向いています。

上昇志向よりも安定を求めるのであれば、基本給の額が高い国内系の方が向いているでしょう。

そもそも上昇志向とは、今よりも高い地位を目指したり、より良い提案ができるようになったりするのを目指す心の持ち方や姿勢を意味します。

このような心の持ち方や姿勢がない場合、外資系のような完全実力主義の企業で働くと大きなストレスを感じるでしょう

継続的に結果を出し続けられる

その月に結果を出して高収入を得られても、翌月に結果を出せなければ収入が下がります。

そのため、継続的に結果を出し続けることができる人に向いているでしょう。

努力を重ねて結果を出したものの燃え尽きてしまう人には向かないと言えます。

これは、基本給+歩合の国内系においても同じことが言えますが、完全実力主義の外資系の方が継続的に結果を出し続けることができる能力がより強く求められます。

スキルアップしたい

保険営業に関するスキルアップを求めるのであれば、外資系の方が適していると言えるでしょう。

継続的に結果を出し続けることを意識すれば、自然に創意工夫するようになり、スキルアップが期待できます。

ただし、教育体制が整っているかどうかもスキルアップのしやすさに影響するため、外資系だからといって必ずしもスキルアップしやすいとは限りません。

また、教育体制が整っていなくてもスキルアップできる人もいます。

教育環境が整っていない場合自発的な自己研さんは求められますが、スキルアップできる環境というものは、人によっても違いがありますので、転職エージェントなどを活用し情報を得ながら、「自身がスキルアップできる環境かどうか」はよく検討されると良いでしょう。

まとめ

保険業界における外資系と国内系の違いは、少しずつ小さくなってきているといわれています。

しかしながら、給与形態や企業風土には違いがみられるため、自身が外資系と国内系のどちらの方が向いているのか考えることが大切です。

また、外資系と国内系で大別できるものの、企業によって働きやすさも異なるため、十分に調査したうえで転職先候補を決めましょう。

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