これまで営業職に携わったことがない人も、個人営業という職種は、一人の消費者である私達にとって身近な存在でイメージしやすく、人とのコミュニケーションが仕事の要となる点に魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。
これから転職を検討する上で、個人営業の経験がない方は、自分が個人営業に向いているのかどうか疑問を抱く方も多いと思います。
まずは個人営業という職種の向き不向きに加え、最低限知っておくべき基本情報を確認してみましょう。
目次
個人営業とは?
個人営業と法人営業の違いを確認
営業職には大きく分けると、個人営業と法人営業の2種類があります。
営業行為を誰に対して行うのか、または、所属している企業の商材が誰向けのものなのかによって、個人営業と法人営業に分類されます。
個人営業は、個人向けの商品を扱う企業(BtoC企業)が個人に対して行う営業ですが、法人営業はBtoB企業が、企業や団体などに対して行います。
個人営業の魅力、やりがいを感じる時
私たち一般消費者にとって身近な営業職は、個人営業でしょう。
個人営業の魅力はさまざまですが、いくつかの代表的なポイントをご紹介します。
1)さまざまな人との「出会い」
個人営業に魅力を感じる人の多くは、さまざまな人との出会いに楽しさを感じる人が多いのではないでしょうか。
扱う商品やサービスによって異なりますが、様々な人との新しい出会いを通じて、多くのことを学ぶ機会を得ることができるのは個人営業の大きな魅力です。
2)「感謝」の反応や、心が通じる「コミュニケーション」ができた時
お客さまと心が通じるコミュニケーションが取れた時や、自分の提案を喜んでもらった時は、これまでの労力が報われると共にやりがいを感じることでしょう。
このダイレクトな反応は個人営業の醍醐味でもあります。
3)「達成感」を得た時
個人営業は、自分が担っている役割が数字として明確である場合や、営業の成果がダイレクトに収入に影響する場合が多いのも特徴です。
自分の努力が目に見える実績となる達成感はやりがいにつながります。
個人営業はキツイ?厳しさを感じる時
個人営業は、その業務の特徴から特有の厳しさもあります。
所属している企業の営業スタイルや方法によって差はありますが、代表的なポイントを紹介します。
1)クレーム対応がキツイ
人と人とのコミュニケーションは、双方の理解が食い違う時に齟齬を生じさせるものです。
多様な人と折衝することになる個人営業は、その確率も高くなることから厳しさを感じることも多いかもしれません。
2)時間を問わない対応がキツイ
所属する企業によって異なりますが、個人営業はお客さまの時間や場所の都合に合わせることが多く、休日や早朝夜間など曜日や時間を問わず対応せざるを得ないこともあります。
3)ノルマがキツイ
個人営業には数字の目標があり、達成感を得にくい反面、目標が達成できない時は厳しさを感じます。
実績が収入にダイレクトに反映される給与体系の場合は、収入が安定せず不安が募る場合もあります。
個人営業の仕事のスタイル
個人営業は、所属する企業が取り扱っている商品やサービス、またはその企業のビジネスモデルによって、仕事のスタイルに違いがあります。
1)テレアポ
過去の契約者などの各種リストに基づいて、個人宅へ直接電話を行うものです。
2)個人宅への飛び込み、チラシ配り
エリア営業の場合など、担当エリア内の個人宅へチラシ配りや、直接訪問を行いニーズを確認するものです。
3)来店対応
来店した人へ商品の説明・ニーズのヒアリングをし営業行為を行うものです。
4)WEB問い合わせ対応
所属企業のWEBサイトに問い合わせや資料請求があった方へ、説明を行い、その後のアポイントメントを取り付けるなどの営業行為を行います。
5)電話問い合わせ対応
企業の問い合わせ窓口に電話があった方へ、説明を行い、その後のアポイントメントを取り付けるなどの営業行為を行います。
6)イベント対応
企業が開催するセミナーやイベントなどの来場者に対して、営業行為を行います。
7)ルート、クロスセル営業
すでに契約済みの顧客に対して、別の商品を紹介するなどのクロスセル営業を行います。
代表的な個人営業
個人営業の具体的な仕事内容は、企業によって異なります。
個人営業の就職先として代表的なケースを紹介します。
1)保険を販売する個人営業
保険商品はライフステージに合わせた提案を要する提案型の営業です。
人によってライフステージが異なるためヒアリングの機会が大変重要とされています。
また、商品は多岐に及ぶため既存の顧客へのアップセル・クロスセルなどの営業行為もあります。
2)自動車を販売する個人営業
自動車を販売する個人営業者は、販売店への来店対応や資料請求対応だけではなく、顧客の乗り換えなどのニーズにも対応します。
一家で複数の自動車を所有することもあるためクロスセル営業も重要な機会です。
3)住宅を販売する個人営業
マンションや戸建などの住宅を販売する個人営業職は、展示場への来店者や資料請求者に対してニーズのヒアリングや商品の説明をしつつ営業行為を行います。
人生の中で大変大きな買い物になるため、何度も折衝を重ねる必要があります。
個人営業に向いている人
個人営業のイメージは湧いてきたけれども、自分が個人営業に向いているのかどうか疑問を抱く方もいると思います。
そこで、一般的に個人営業に向いている人の特徴を紹介します。
自分の性格と照らし合わせてみてください。
人との会話を楽しめる人は、個人営業に向いている
個人営業は、常に人とコミュニケーションを取る仕事です。
そのため「はじめまして」からの会話を臆することなく楽しめることは、個人営業の担い手として大変重要な要素になるでしょう。
また、相手の方が抱く印象や好意などの情緒面が、営業結果を左右することもありますので、相手の気持ちを踏まえながら円滑なコミュニケーションがとれる人が向いています。
対話によって良い関係を築きつつ相手が潜在的に持っているニーズを汲み取り、商品やサービスの魅力を端的に伝えることも重要です。
話し上手よりも聞き上手な人は、個人営業に向いている
人は暮らし方も違えば考え方も多種多様です。
そのため、個人営業では相対する人のことを深く知るためにも、聞き上手である必要があります。
個人営業は、信頼がとても重要な要素です。そのため誠実な態度での営業行為は必須でしょう。
一方的な商品説明に終始するのではなく、相手のことを深く理解したいという気持ちを態度で表し、その上で販売したい商品やサービスと、相手のニーズが交わるポイントを説明するなど、ヒアリング能力を活かした営業行為を行うスキルが必要になります。
自己管理能力の高い人は、個人営業に向いている
個人営業の業務は、新規開拓を伴う場合が多いでしょう。
テレアポなどは対話を断られることも多くめげてしまうこともあるとは思いますが、コツコツとした努力を惜しまないことは、個人営業の担い手としては必要な能力のひとつです。
また、個人営業の中には、相対するお客様の自宅や会社に赴く活動を基本としていることもあります。
自分のスケジュールをしっかり管理して、労を惜しまずに訪問を重ね、急な依頼にフットワーク軽く対応することによって、お客様との心理的な距離が縮まり良い実績に繋がるのではないでしょうか。
個人営業に不向きな人
個人営業を検討する上で、個人営業の担い手として不向きな人の要素も紹介します。
メンタルが弱く、打たれ弱い人
個人営業の担い手としては、メンタルの強さは重要です。
対人関係の構築が仕事の軸となりますから、対話内容やクレーム処理などによって心を痛めることもあるかもしれません。
また、実績が求められる中でノルマなどへのストレスもありますから。打たれ弱い人は厳しく感じるかもしれません。
空気を読めない人
個人営業は、相手の気持ちを汲み取る力が実績に影響を及ぼします。
相手の出している細やかなサインを読み取る必要があり、空気を読むことが苦手な人は個人営業に厳しさを感じるかもしれません。
小さな努力の継続ができない人
どのような仕事でも努力の継続は必要なことですが、個人営業は相対する人の数が多いだけに、努力の種類や数も多く、その継続がダイレクトに実績に影響してきます。
コツコツとした努力が楽しめないような人は、個人営業をキツイと感じるかもしれません。
まとめ
個人営業の基本的な知識を紹介しました。個人営業に向いている人、不向きな人などの各種情報と、自分の性格や得意なことと照らし合わせながら、転職活動の参考になさってみてください。
個人営業にはたくさんの種類があります。
所属している企業によって扱っている商品やサービスも異なりますし、企業のビジネスモデルによっても個人営業の仕事スタイルは変わってきます。
未経験から個人営業にトライする場合は特に、事前にリアルな状況を把握しておくことが重要です。
WEB等の情報だけではなくエージェントをうまく利用して情報を得ながら比較検討してみるのもいいかもしれません。
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