長引く経済不況から社会が混沌とする中でお金の事と向き合う人が増えていますが、その動向を受けて金融業界の各種サービスは活況です。
これまで参入障壁が高く、横並び意識が高かった金融業界。
金融ビックバンからの流れを受けて、時代にあったサービスを展開する新しい企業やサービスが続々と登場し、競争意識の高い業界へと変化を遂げています。
金融業界内で働く方々にとっても、働く場所の選択肢が増えたことで、これまで培ってきた経験と知識を活かし、より自分に合った企業への転職を検討している人も多いのではないでしょうか。
特に証券会社でリテール部門の営業を担った方々は、幅広い金融知識のみならず、形の無いものを分かりやすく説明する能力を培っているという点でも転職市場で注目されています。
中でも、消費者のニーズを受け存在価値が高まり続けている保険の乗合代理店へ転職し、自分の価値に合った働き方で活躍されている方も多いようです。
そこで今回は、証券会社のリテール営業職から保険の乗合代理店へ転職する際にまずは知っておきたいポイントを紹介します。
転職活動の参考にしてみてください。
目次
証券リテール営業から乗合代理店を転職先候補にする3つの理由
なぜ、証券会社のリテール営業職の方々が、保険の乗合代理店へ転職するのでしょうか。代表的な理由を3つ紹介します。
自由な働き方を選択することができる
乗合代理店の多くは、働く時間の自由度が高い傾向があります。
企業によって異なりますが、例えば事前の自己申告で勤務シフトが組めたり、時短勤務やお客さまとのお約束の場所への直行直帰が可能なところもあります。
そのため、自分の都合によって働く時間をコントロールすることができるということは、時代にあった働き方のひとつとして魅力的なのではないでしょうか。
金融業界の中でこのような働き方ができる業種が少ないということもあるかもしれません。
自分の営業実績が、収入に分かりやすく反映される
保険の営業は、収入形態が働き方に直結しており、これまで長く「完全歩合制」という収入形態が一般的でした。
「完全歩合制」とは、基本給は法が定めた最低賃金だけで、それ以外は営業成績がダイレクトに反映される収入形態です。
収入に上限がないため、やりがいを感じる働き方ではありますが、一方で生活を営むための収入を確保するために、常に新しいお客さまを探すプレッシャーなど、不安も大きいものです。
しかし近年、消費者からの需要とインターネットの一般化を背景に、乗合代理店が続々と登場したことで保険営業の働き方が変わりました。
乗合代理店の中には「完全歩合制」タイプの収入形態をとっているところもありますが、「固定給+歩合制」タイプを採用しているところも散見されます。
この収入形態は、しっかりとした固定給がありつつ、営業成績も反映される仕組みです。
「固定給+歩合制」タイプの歩合率は「完全歩合制」タイプに比べると低くはなりますが、安定した固定給の上で営業の実績も給与に反映されるため、安定した中でもやりがいを感じながら働くことができるところが、魅力ポイントとなっているようです。
これまでの経験と知識が存分に活かせる
幅広い金融商品を取り扱う証券会社で、お客さまと対峙するリテール営業を担っている方々は、商品知識だけではなく「物事をお客さまへ伝わりやすく説明するテクニック」が培われています。
その蓄積された能力を存分に活かし、収入に好影響をもたらすことができる職業のひとつとして、乗合代理店でのファイナンシャルプランナーが候補に上がるのでしょう。
なぜ、証券会社のリテール営業経験者が求められるのか?乗合代理店が期待する3つの理由
乗合代理店への転職者のバックグラウンドはさまざまですが、乗合代理店側からも、証券会社でリテール営業を経験してきた人材が求められています。
その理由は企業によって多岐に渡りますが、証券会社のリテール営業職の方々のどのような経験や能力に魅力を感じているのかを紹介します。
転職活動を行う上で、志望動機を記述する際や面接などの場面で参考にしてください。
商品知識だけではなく、経済全般の知識が豊富
証券業務に携わっていると、金融商品の知識だけではなく経済を含めた社会を俯瞰する力を養っているため、お客さまと将来を見据えたライフプランを話し合う上で、新しい視点を提供することが可能です。
乗合代理店はお客さまへの付加価値の提供のために、経済全般の知識に裏打ちされた、プロフェッショナルなコンサルティング能力を持つ人材を求めています。
高度なコミュニケーション能力
証券会社が取り扱う商品の多くは、各種相場に影響されるものが多く非常に不確実性の高いものです。
そのような金融商品をお客さまに説明するためには、リスクマネジメントを含めたコミュニケーション能力が必要です。
証券会社でリテール営業を担ってきた方々が持つこの特異なコミュニケーション能力は、単に「人に好かれやすい」といった性質のものではなく、経験によって育まれる高度な能力と捉えられています。
金融商品は、形がないため手に取ることができず、その価値は大変伝えづらいものです。その上、不確実性が高い商品のものが多いため、お客さまへ個々の商品価値を伝えるためには、単なるコミュニケーション能力だけでは足りず、相手に誤った認識を与えない説明能力が必要です。
証券会社でリテール営業を担ってきた方々は、多くのお客さまとのコミュニケーションを経て、このような高度なコミュニケーション能力を培ってこられていることが、乗合代理店にとって価値のある経歴と捉えられています。
情報の咀嚼力が高い
乗合代理店は、30−40を超える保険商品を取り扱っています。
それはさまざまなお客さまのニーズに応えるためですが、これらの商品は細部に違いがあったり、更新や変更が頻繁に行われるため、情報の咀嚼力が求められます。
証券会社でリテール営業を担った方々が持つ、多様な情報を細部まで咀嚼し、重要なポイントをしっかり抑え、それを提案に活かす能力は、乗合代理店が自社のお客さまの満足度を高めるために求めているものです。
証券会社から乗合代理店への転職、メリット・デメリット
証券会社のリテール営業職から、乗合代理店のファイナンシャルプランナーへ転職するメリットやデメリットを紹介します。
希望する働き方や収入に対する意識は人によってさまざまですが、転職活動を進める上で参考にしてください。
メリット
メリットはたくさんあると思いますが、代表的なものを紹介します。
- 営業成績が収入に紐づいている「固定給+歩合制」を採用しているところが多く、やりがいを感じやすい。
- タイムマネジメントがしやすい企業も多い。
乗合代理店の中には、しっかりとした固定給の上に、営業成果が収入に紐づいている「固定給+歩合制」を採用しているところがあります。
多くの証券会社の場合、営業成果はボーナスや昇給などで反映されますが、乗合代理店の場合は、収入へ反映されるだけではなく、反映される率が明瞭です。
自分の実績が収入となって評価されるのは、やりがいを感じるのではないでしょうか。
また、タイムマネジメントがしやすい点もメリットとしてあげられるでしょう。
働く時間に自由度を設けている乗合代理店であれば、ワークライフバランスが取りやすいため、メリットと感じる人が多いのではないでしょうか。
デメリット
続いて、デメリットも紹介します。以下は必ずしもデメリットになり得る、というわけではありませんが、人によっては注意が必要なポイントです。
- 乗合代理店の多くは新興企業でもあるため、中小規模の企業が多い。
- 乗合代理店は保険商品しか取り扱っていないところがほとんどである。
乗合代理店の多くは新興企業でもあるため、中小規模の企業がほとんどです。
決して中小規模の企業がデメリットになるというわけではありませんが、事業規模は各種証券会社よりは小さくなり、大手企業からの転職だと経営面などに不安を感じる人もいるかもしれません。
将来性を含めた経営状態は事前に確認しておく必要があります。
また、株式や債券、投資信託から保険商品まで幅広い金融商品を取り扱える証券会社に比べ、乗合代理店は保険商品しか取り扱っていないところがほとんどです。
投資的な意味合いが強い金融商品をお客さまに提案できないことをデメリットと感じる方もいるかもしれません。
業界特化型のエージェントを活用しよう
消費者ニーズを背景に、ビジネスが活況な乗合代理店ですが、新興企業の側面もあるためフットワークが軽く目まぐるしく変化しています。
また「固定給+歩合制」という働き方を採用している企業が多いことから、収入に関連する重要なポイントが公になっていない場合も多く、個人が働きながら情報収集をするのは少々ハードルが高いかもしれません。
効率的に自分にあった企業を見つけるために、まずは保険業界特化型の転職エージェントを活用してみてください。
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